--- title: 仮説検定 tags: [note, study, statistics] --- ## 概要 - 仮説検定とは,母集団の母数に関する帰無仮説について,棄却/受容を標本から客観的に判定する手続き - 有意確率とは,帰無仮説が真だった場合に誤って棄却する確率である - 仮説検定において,有意確率が事前に定めた有意水準よりも小さかった場合,帰無仮説を棄却する ## 検定手順 1. 帰無仮説を仮定する 2. 帰無仮説のもとで検定したい事象が発生する確率$p$を求める 3. $p$が事前に定めた有意水準よりも小さいならば,帰無仮説を棄却する ## 結論に生じうる誤り - 第一種の誤り: 帰無仮説が正しい,かつ,帰無仮説を棄却してしまう - 発生確率=有意確率 - 発生確率を設定できる - 第二種の誤り: 帰無仮説が誤っている,かつ,帰無仮説を受容してしまう - 発生確率は不明 - 発生確率を設定できない - 有意水準を小さくすることで第一種の誤りは起こりにくくなるが,第二種の誤りが起こりやすくなる(トレードオフ) - 大体の場合で5% - 第一種の誤りが許されない場面(医療など)では1% ## 例 - コイントスを10回して7回表が出た.コイントスは公平か? - 7回表が出る確率は$\frac{1}{2^{10}} \cdot {}_{10} \mathrm{C}_7=0.12$ - $0.12>0.10$より有意水準10%で帰無仮説は棄却されない - コイントスは**公平である** - 12%で起こりうることが起きた,帰無仮説が正しい場合は普通のこと,つまり,帰無仮説は正しい - この結論は第二種の誤りである可能性がある - $0.12<0.15$より有意水準15%で帰無仮説は棄却される - コイントスは**公平でない** - 12%で起こりうることが起きた,帰無仮説が正しい場合は奇跡に近い,つまり,帰無仮説は間違いだ - この結論は12%の確率で第一種の誤りである可能性がある ## 注意点 - 自分の望む結果を得るために,検定の途中で有意水準を作為的に操作してはならない - 有意水準は必ず有意確率を求める前に定めなければならない